税理士法人吉井財務研究所

株式等売渡請求の創設について(岡山の税理士事例)
所得税

(岡山の税理士事例)

会社法の改正により、キャッシュ・アウトを行うための新たな手法として「株式等売渡請求」が創設されることとなりました。(平成26年6月27日公布、施行日は現在未定で、公布日から起算して1年6ヵ月を超えない範囲以内において政令で定める日となる)
株式等売渡請求とは、対象となる株式会社の総株主の議決権の90%以上を有する株主で当該株式会社以外の者(特別支配株主)が、対象会社の承認を得ることにより株主総会の決議を要さず、他の株主全員(特別支配完全子法人に対しては請求しないことも認められている)に対して保有する株式の全部を売り渡すことを請求できるというものです。

「売渡手続の概要」
?特別支配株主が、対象会社に対して売渡請求をする旨と以下の事項を通知します。
?売渡株式の対価として交付する金銭の額又はその算定方法
?割当に関する事項
?取得日等を定める
(株式等とは株式のみならず、新株予約権及び新株予約権付社債も対象とできます)

?対象会社はこの通知を受領し、この請求に対して承認を与えるか否かを決定します。
対象会社の承認とは、取締役会設置会社においては取締役会の決議、取締役会を設置しない会社では取締役の決定となります。
(会社の承認にあたっては、少なくとも、特別支配株主が提示した条件の適正性につき独立した第三者の見解を入手し検証すべきであり、また、特別支配株主の支払能力も確認する必要があると考えられます。)

?対象会社が承認した時は、売渡株主に対し取得日の20日前までに以下の事項を通知する。
?売渡請求を承認した旨
?特別支配株主の氏名又は名称及び住所
?対価として交付する金銭の額等
(株主総会が開催されないため、売主保護としては、株式等売渡請求差止請求、売買価格決定の申立て、売渡株式等の取得無効の訴えの制度が用意されています。)

?上記の通知により売渡請求がなされたとされ、特別支配株主は取得日に売渡株式等の全てを取得することとなります。

※利用が想定されるケース
・創業者の相続により株式保有が分散化されている
・旧商法下で発起人が7名必要であった株式会社で、1株を所有する株主が残っている
・従業員や取引先に株式を取得させている など

(岡山の税理士事例)