(岡山の税理士事例)
<Question?>
当社(以下、A社)は、弁当等調理食品の販売等を業とする法人であり全国各地の百貨店の物産展において弁当の調理・販売を行っています。
その際に、A社はマネキン紹介所からの紹介に基づいてA社に対する役務の提供を行った販売員に金員を支払っていますが、当該金員は給与等に該当するのでしょうか?
本件のポイント
・ 本件販売員は、販売業務に従事しており、販売業務のために拘束された日ないし時間によって役務の提供の対価が計算されていた。
・ 本件販売員は、A社から交通費の支給を受けるなど販売業務に必要な費用を自己負担しておらず、また、商品が売れ残った場合にも対価の額が影響を受けることがなかった。
・ 本件販売員が早退遅刻により役務の提供を行えなかった場合には、他の販売員を手配するのではなく、その時間に対応した金額が日当から減額されていた。
・ A社は、マネキン紹介所に対して、業務委託契約であれば支払う必要のない紹介手数料を支払っていた。
< Answer>
給与等に該当します。
[A社の主張内容]
本件金員は、?本件販売員は販売のプロであること、?販売業務に必要なエプロン等は本件販売員が用意していたこと、?本件販売員は他者をして代わりに販売に当たらせることができること、?業務委託契約を締結する意思であったこと等から、本件販売員は業務委託契約に基づき役務の提供を行っていたのであり、本件販売員に支払った金員は給与等に該当しない。
[国税不服審判所の判断]
給与等とは、雇用契約又はこれに類する原因に基づき、自己の危険と計算によることなく、使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいうものと解され、具体的には、受給者が?指揮監督を受けているかどうか、?時間的な拘束を受けているかどうか、?材料や用具等の供与を受けているかどうか、?自己の責任において他者を手配して役務の提供に当たらせることが認められるものではないかどうか等の事情を総合勘案して判断するのが相当であると解されるところ、販売業務を行う際に必要なエプロン等についてはA社が用意したものでなかったことが認められるが、本件販売員は、A社の指揮監督を受けるとともに、時間的拘束を受け、役務の提供の代替が認められていなかったこと、さらに、本件販売員の役務提供に至る経緯等を併せ考慮すれば、本件販売員に支払われた金員は、いずれも雇用契約に基づき、自己の危険と計算によることなく、使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として支給されたものといえ、給与等に該当すると認められる。
(岡山の税理士事例)