12年以上登記がされていない株式会社,
5年以上登記がされていない一般社団法人又は一般財団法人
これらは、解散したものとみなされます。
うちの会社は、会社名、本店、資本金、役員が12年間変わっておらず変更する事項がない!
と思ってる方もいるかもしれません。
しかし、株式会社の役員の任期は最長10年と法律で定められています。
任期が満了したときは、同じ人が継続して役員となる場合でも、その任期満了及び再任の登記が必要です。
なので、10年以上変更登記していない会社は、役員の登記を懈怠していることが確定しています。
みなし解散とは
みなし解散は、登記簿上は存在しているけれど経営の実態がない「休眠会社」をなくすため、行われています。
「休眠会社」は、事業はもう行っていないけれど解散の手続きが面倒、という理由などで放置しているため発生しているものが多いです。
しかし、このような理由で休眠会社が増えてしまっては、商業登記制度自体の信頼を損なわれることになります。
そこで法務省は、12年間登記簿上に変化がないままになっている会社は、経営状態がないとみなされ解散させる手続きを開始しました。
あくまでも「登記簿上」変化があるかないかで判断されてしまうため、普通に営業している会社でも該当します。
このみなし解散による「休眠会社の整理作業」は、平成26年より毎年1回行われています。
右図のとおり、みなし解散される会社は年々増加傾向にあります。
職権により解散の登記がされますので、登記簿上は解散した会社となります。
なお、みなし解散といえども、あくまで登記簿上の話で、実態が消滅するわけではありません。
また、なぜ12年なのかというと、株式会社の場合、会社を経営していれば必ず10年以内に登記変更事由が発生するためです。
会社法の規定により、株式会社の取締役の任期は、原則として2年、最長でも10年とされており、取締役の交替や重任の場合にはその旨の登記が必要ですから、株式会社については、取締役の任期毎(少なくとも10年に一度)に、取締役の変更の登記がされるはずなのです。
通知が来たら!?(令和2年版)
法務局は、各管轄登記所より、12年間登記のない会社(以下「休眠会社」といいます。)へ通知書を発送します。
通知書(令和2年10月15日(木)発送のもの)には、
- 休眠会社について令和2年10月15日(木)付で、法務大臣による官報公告が行われたこと
- 「まだ事業を廃止していない」旨の届出については、通知書の要旨を使用して、管轄登記所へ提出することができること
記載されています。
休眠会社へ法務局から通知が送られてきたときに取り得る選択は次の3つです。
- 変更登記を申請する
- 事業を廃止していない旨の届出をする
- 何もしない
1.変更登記をする
休眠会社に該当している会社は、少なくとも役員変更の登記を申請する必要が生じています。
以前と同じ人が役員であり続ける場合も再度選任して重任登記をしなければなりません。
役員が法定の人数に足りず後任がいないのであれば、定款の変更や取締役会を廃止する等して法定の役員の人数を減らす、あるいは後任を探して役員の変更登記をします。
2.事業を廃止していない旨の届出をする
令和2年12月15日(火)までに「まだ事業を廃止していない」旨の届出を提出します。
これだけでは足りません。役員の選任懈怠、登記懈怠の状態からは脱していませんので、
役員変更等、怠っていた必要な登記を申請します。
必要な登記申請を行わない限り,翌年も「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」の対象となりますので御注意ください。
※なお,「まだ事業を廃止していない」旨の届出を行ったり,役員変更等の登記を行った場合であっても,登記をすることを怠っているときは,100万円以下の過料に処せられます。
3.何もしなかったら。。。
令和2年12月15日(火)までに,「まだ事業を廃止していない」旨の届出がなく,かつ,登記の申請もなかった休眠会社・休眠一般法人については,令和2年12月16日(水)付けで解散したものとみなされ,登記官により職権で解散の登記をされます。
取引相手が相手方の登記簿を確認したとき、解散している会社であることが分かったら取引をしたくなくなってしまうかもしれません。
解散の登記がされた場合は、大至急「みなし解散からの継続(会社の復活)」をしなければなりません。