昨今、所有者の不明な土地や空き家が多数発生していることが社会問題となっています。
相続登記をせずに放置していることがその原因の一つとして挙げられています。
そこで相続人の方の相続手続きの負担の軽減を図ることを通じて、相続登記を促進するために
法定相続情報証明制度が創られました。
相続手続きに際し、沢山の戸籍を集め、それぞれの金融機関等に何度も提出しなければならないのは、相続人にとって手間であると思います。
場合によっては、まるで本のような膨大な量の戸籍謄本になることもあります。
法定相続情報証明制度を利用することで、相続登記を含む各種相続手続きにおいて、いちいち被相続人の生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本提出することなく、たった数枚の紙に代用することが可能になりました。
利用場面
①法務局での不動産の相続登記手続(亡くなった方の名義から相続人の方への名義変更)
②預貯金口座の名義変更や解約手続
③相続税の申告手続
④株式の名義変更手続
⑤投資信託の名義変更手続
⑥自動車の名義変更手続
※ただし金融機関や証券会社、株式発行会社などの民間機関では法定相続情報証明制度に対応していない可能性もあるので、個別の確認が必要です。
相続財産として、不動産や預貯金口座等が複数あり、上記のような手続を多くせねばならないほどメリットが大きいです。
利用できる人
この法定相続情報証明制度を利用できるのは。
亡くなられた方の相続人全員です。
相続発生後に相続人が亡くなった場合、その方の相続人も含まれます。
代襲相続人も利用可能です。
また、申請は法務局窓口のみならず、郵送でも可能です。
提出先は、以下の地を管轄する登記所のいずれかになります。
① 被相続人の本籍地
② 被相続人の最後の住所地
③ 申出人の住所地
④ 被相続人名義の不動産の所在地
申し出をすると、数日から2週間ほどで法務局が認証印を押した「法定相続情報証明書」を交付してくれます。不動産の名義変更、預貯金の払い戻しなどそれぞれの手続きで使えるので、予定する枚数を申請しましょう。
証明書が交付されると、申出時に提出した戸籍謄本類は返還されます。
再交付の方法
法定相続情報一覧図の再交付も可能です。
再交付の申出書と本人確認書類があれば、無料で交付してもらえます。
ただし再交付の申出ができるのは当初に申出をした相続人のみで、他の相続人にはできません。
他の相続人が再交付を希望する場合は,当初の申出人から の委任が必要です。
また再交付申請できるのは、申し出た年の翌年から5年間です。
再交付の申出は,当初の申出をした登記所(申出人が作成した法定相続情報一覧図が保管されている登記所)で受付てもらえますのでご注意ください。
法定相続情報証明制度を利用すると、何度も戸籍謄本類を取得し直す手間が省けて費用もかからないのでメリットが大きくなります。
法定相続情報一覧図作成、戸籍等収集に関しましても、お気軽にご相談ください。