懸賞金は一時所得に該当し、課税対象に
物品での受け取りは処分見込価額で評価
懸賞で高額な賞金・商品が当たった場合は課税に注意する必要がある。懸賞金は一時所得に該当する。一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得ではなく、労務その他の役務又は資産の譲渡でもない一時の所得を言う。例えば、懸賞や福引きの賞金品、競馬や競輪の払戻金、生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金等、法人から贈与された金品、遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等などが該当する。
つまり、懸賞に当選してもらった金品については、「一時所得」となり所得税の課税対象となるのだが、もらった懸賞金が全て課税対象となるわけではない。一時所得には50万円の特別控除が認められる。一時所得金額の計算は、その年中の一時所得に係る総収入金額から、その収入を得るために支出した金額の合計額を控除し、その残額から特別控除額50万円を控除する。50万円を超えた場合、その超えた金額の2分の1に税金がかかる。
したがって、懸賞金等の額が50万円以下であれば、税金がかからないので申告は不要となる。
また、賞金等を物品で受け取った場合は、その物品を評価しなければならないが、その評価は、原則として、その物品の処分見込価額となる。例えば、株式、貴金属又は不動産等はその受けとることとなった日の価額、商品券やギフト券などはその券面額となる。それ以外のものは、その物品の通常の販売価額の60%相当額で評価する。
自動車やお米、特産品などの一般的な商品は、それ以外のものに該当する。例えば、1万円分のハガキで応募して、現金正価300万円の車が当選した場合、「300万円(現金正価)×0.6-1万円(必要経費)-50万円(特別控除)」×0.5=64.5万円が課税対象の金額となる。また、賞金等を受け取る際には、50万円を差し引いた残額に10.21%の税率を乗じて算出した源泉徴収税額が天引きされる。