売上高 100 億円超を目指す企業の拡充措置
令和7年度税制改正大綱 法人税制の改正
昨年末に閣議決定された令和7年度税制改正の大綱に基づき、法
人課税関係の改正内容のポイントを取り上げる。
中小企業税制の関係では、中小企業者等の法人税の軽減税率の特
例の一部法人の税率が引き上げられる。具体的には、所得の金額が
年 10 億円を超える事業年度について、法人税率を現行 15%から
17%に引き上げ、適用対象法人から通算法人が除外される。また、
同特例の適用期限を2年延長し、令和9年3月 31 日までとしてい
る。
中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を
取得した場合の特別償却又は税額控除制度)について、売上高 100
億円超を目指す中小企業への拡充措置が講じられる。関係法令の改
正を前提に「特定経営力向上設備等」の見直し等を行った上で、適
用期限を2年延長し、令和9年3月 31 日までとされる。
対象の設備として「特定経営力向上設備等」のうち、生産性向上
設備(A類型)と収益力強化設備(B類型)に一定の見直しが行わ
れるほか、「特定経営力向上設備等」の範囲からデジタル化設備(C
類型)と暗号資産マイニング業の用に供する設備が除外される。
中小企業投資促進税制については、関係法令の改正を前提にみな
し、大企業の判定における大規模法人の有する株式または出資か
ら、「判定対象である法人が農地法に規定する農地所有適格法人で
ある場合で、かつ、一定の承認会社がその農地所有適格法人の発行
済株式又は出資の総数又は総額の 50%を超える数又は金額の株式
又は出資を有する場合におけるその株式又は出資」が除外される。
同税制の適用期限が2年延長され令和9年3月 31 日までされる。
また、オペレーティング・リースの賃貸借処理が認められなくな
る新リース会計基準について、法人税では賃借料として「債務の確
定した部分の金額」の損金算入を認め、賃貸借処理を維持すること
とされている。