相続税
4、事後事務委任のための信託
ケース8
・夫も子供もいないので、自分が死んだあとの葬儀、納骨、法要が確実に行われるように甥(妹の長男)に頼みたい。疎遠人なっている兄が、葬儀等の費用について反対する可能性がある。理解してくれている妹や甥が希望道理に葬儀や年忌を執り行ってくれることを望んでいる。
甥に信託財産を任せるという信託契約を結ぶ
【信託内容】
委託者 相談者
受託者 甥
第1受益者 相談者
第2受益者 相談者死亡後は 妹
信託財産 金銭(葬儀等費用のため)
信託契約終了事由 相談者及び妹の死亡
帰属権利者 甥
※併用して、死後事務委任契約を依頼者と甥との間で公正証書にて締結する。
〈効果〉
・死後事務に必要な費用や報酬の支払いを確実に行うため、必要な資金を信託することで、それらの資金は相談者の財産から独立して管理することが可能になり、遺産分割によらず確実に確保しておくことができる。(遺留分に注意)
・併せて死後事務委任契約を甥と相談者で締結する。甥を信頼していることから、妹が死亡した時点で信託契約を終了し、甥へ帰属するものとし、その後は死後事務委任契約に基づいて、甥が葬儀などを執り行う。