会社の代表者で,会社の登記を長らく放置していた場合,裁判所から
「会社法違反事件 過料決定」という通知が届くことがあります。
これは決して詐欺なのではありません。
代表取締役として会社の登記をする義務を怠り制裁(罰金)を受けたことを知らせる書類です。
過料決定の通知が届いたということは法律違反があったことを意味しています。
速やかに是正しましょう。
登記懈怠とは
12年放置しているとみなし解散に!?
どうしたらいいのか?
1.怠っている登記を申請する
会社の役員の任期は最長10年なので、少なくとも10年に1回は登記をする機会があるはずです。
一番最後に登記したときから10年以上経過すると登記を怠っているものと判断するので、過料の対象となってしまうのです。
このように、役員の任期が満了しているのに放置しているのであれば、役員変更登記を申請しなければなりません。
場合によってはそのほかの登記も求められることもあります。
2.過料を納付する
通知から2か月ほど経つと、検察庁から納付告知が送られてきます。
すみやかに納付してください。
通知書に記載されている過料の金額を、会社の代表者個人が納付しなければいけません。
したがって、過料は、会社の経費・損金とすることができないため注意が必要です。
会社の代表者はこの過料の制裁で前科がついてしまうのですか?
過料は会社宛に届くものではなく、会社代表者の個人に宛てて届きます(商業登記規則第118条)。
つまり、過料の制裁は受けるのは会社ではなく会社代表者です。
過料決定通知書を見ると「裁判所」「会社法違反事件」といった文言があり、不安に思われる方が沢山いらっしゃるかと思いますが、この過料の制裁については刑事罰ではなく行政罰ですので、会社代表者には前科はつきません。
過料のほかにも制裁はありますか?
ありません。法令上の秩序に違反したことへの制裁ですから、過料を遅滞なく納付し、すべきであった登記を申請すれば事件は終わります。
どれくらい経過したら過料は来るのですか?
登記期間を1日でも遅れて登記の申請をした全ての会社が、必ず過料の制裁を受けるかというと、そうではないようです。どの程度登記の申請を遅れた場合にどの程度の過料の制裁を受けるかというと、この基準は明らかではありません。
また、過料の額は、100万円以下の範囲で裁判所が決めます(会社法第976条第1項第1号等)。
登記の申請が遅れれば遅れるほど、高額になる傾向がありますが、この額の基準も明らかではありません。
現在の登記簿・定款を一度確認しませんか??
日本の法律は目まぐるしく変化しています。
今の御社の登記簿・定款が法律に沿っているものなのかご確認致します。
役員登記懈怠・みなし解散等についても、お気軽にご相談ください。