税理士法人吉井財務研究所

  • トップ
  • 相談事例集
  • 相続税の課税割合は 9.9%、過去最高に 国税庁 令和5年分相続税申告事績を公表
相続税の課税割合は 9.9%、過去最高に 国税庁 令和5年分相続税申告事績を公表
相続税

相続税の課税割合は 9.9%、過去最高に
国税庁 令和5年分相続税申告事績を公表

国税庁がこのほど公表した令和5年分の相続税の申告事績の概
要によると、同年分の被相続人数(死亡者数)は前年比 100.4%の
157 万 6,016 人で、このうち相続税の申告書の提出に係る被相続人
数は 15 万 5,740 人(前年比 103.2%)だった。
これにより被相続人数に占める相続税の申告書の提出に係る被
相続人数の課税割合は 9.9%と昭和 42 年分以降で過去最高となっ
ている。課税割合は平成 27 年に8%台になってからほぼ増加傾向
で今回 10%近くに上昇している。
また、相続税の課税価格の総額は 21 兆 6,335 億円で前年比
104.6%となっているが、これも昭和 42 年分以降で過去最高を更新
した。申告税額の総額は3兆 53 億円で前年の2兆 7,989 億円を
7.4%上回っている。被相続人一人当たりの課税価格は 1 億 3,891
万円、税額にして 1,930 万円となり、対前年比はそれぞれ 101.3%、
104.0%となった。
相続財産別にみると、最も多いのが現金・預貯金等で7兆 9,633
億円(前年比 104.4%)、次いで土地で7兆 1,425 億円(同 101.0%)、
有価証券3兆 8,779 億円(同 108.6%)、金地金を含むその他が2
兆 5,817 億円(同 103.8%)、家屋1兆 1,452 億円(同 103.2%)と
なった。
相続財産の構成比を見ると、令和3年分から現金・預貯金等が首
位で、それまでの土地から入れ替わっている。相続財産の金額ベー
スではすべての項目で増加し、過去 10 年分で見ると最高となって
いる。
なお、令和5年度における相続税の申告の e-Tax 利用件数は 8.5
万件で前年度に比べ 2.4 万件、38.7%増加している。e-Tax の 利
用率は 37.1%と前年度に比べ 7.6 ポイント上昇しているが、国税
庁では相続税については令和6年度の e-Tax 利用率の目標値を
48%に設定し、より e-Tax の利用を促進していきたいとしている。