税理士法人吉井財務研究所

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研究開発税制の法人税額特別控除の見直し 「単なる製品のデザインの考案」を明確化

研究開発税制の法人税額特別控除の見直し
「単なる製品のデザインの考案」を明確化

研究開発税制が 2023 年度税制改正において見直された中で、新
たなサービス開発を促すため、既存のビッグデータを活用する場合
も同税制の対象とする一方で、性能向上を目的としない「デザイン
の設計・試作」は税制の対象外とされた。これを受けた租税特別措
置法通達では、試験研究を行った場合の法人税額の特別控除制度に
ついて、その対象となる試験研究に含まれないものの範囲を例示し
ている。
改正前の措置法通達においては、試験研究に含まれないものとし
て「単なる製品のデザインの考案」が例示されていたが、その範囲
が必ずしも明確ではなかった。既存の製品の性能向上を伴うモデル
チェンジに際して、デザインを流行に合わせて変更することはよく
あることだが、この一連のモデルチェンジの中で行われるデザイン
の考案について試験研究となるのかどうかは明らかではなかった。
一方、特に性能向上を伴わない製品のデザインの考案であって
も、そのデザインに基づいて製品化する段階において、そのデザイ
ンを実現するために要する技術の開発には試験研究の要素があり
得るとされていた。
このため、改正通達において、これまでの「単なる製品のデザイ
ンの考案」とは、性能向上を目的としないことが明らかな開発業務
の一部として行うデザインの考案であることを明確化している。
また、同改正通達において、そのデザインに基づき行う設計また
は試作は試験研究とならないことを新たに明らかにすることとし
た。したがって、性能向上を伴う製品開発の一環で行うデザインの
考案は試験研究となる一方、性能向上を目的としない製品開発の一
環で行われるものは、デザインの考案だけでなくその後の製品化の
段階で要する技術の開発についても試験研究とならない、というこ
ととなる。